
サムンプライのお話
日本では専門レストランができるほどメジャーになったパクチー。
今ではパクチーと聞いてもどんなものか想像できますが、
パクチーは実はタイの呼び名で英名はコリアンダー。
えっ? パクチーとコリアンダーって一緒だったの?
という方もいるのでは?
中国では香菜(シャンツァイ)、ベトナムではザウムイ、
メキシコなど中南米ではシラントロと国によって様々な呼び名があります。
日本ではコエンドロ、別名はカメムシソウと呼ばれていて、
独特の匂いがカメムシに似ていることからそう言われることも納得。
好き嫌いがはっきり分かれる香草(ハーブ)でもあります。
タイ料理 = パクチーを連想する人も多いのですが、
実はタイではそれほど葉っぱの部分を
むしゃむしゃと食べるものではありません。
お料理の飾りつけやアクセントとして使われたり、
肉や魚料理の臭み消しといった、どちらかというと脇役的な存在なのです。
とはいえ、葉っぱから茎、種、根っこまですべてを使うことができる食材で、
タイではこの根っこの部分がお料理によく使われ、
茎と根っこの境目が、一番香りがよく重宝されます。
刻んでたたき潰し、スープの風味付けやドレッシング、
お料理のソースなどとして幅広く使われているのです。
パクチーを始め、レモングラス、バジル、ミント、ディルなどのハーブ類、
アンチャン(蝶豆)と呼ばれる朝顔に似たブルーの花、
ターメリック、生姜やにんにくなどのスパイス類、
これらの薬効効果が高い植物のことを「サムンプライ」と言います。
タイのお料理には欠かせない存在で、普段の食事の中で自然と
美容・健康に良いものが取り入れられているのです。
日本でいう薬味とか薬膳のような存在でしょうか。
お料理の隠し味やアクセントとしてだけでなく、
美容、健康にも役立つサムンプライ。
見た目もかわいいものから雑草? のようなものまで様々ですが、
タイ料理が世界各国の女性をはじめとする多くの人々を
魅了する所以かもしれません。