タイのナスのお話
日本では夏野菜として知られるナス。
常夏の国 タイには、栽培に適した気候ということもあり、
数十種類ものナスが年中出回っています。
形はお馴染みの長細いものから、楕円・丸いものまで、
色も紫だけでなく、白・緑・オレンジ・黄・・・と様々。
こんなにたくさんの種類があって、
いったいどうやって使い分けてるの??と気になりませんか?
実は、形によって水分の量・食感・アクの強さが異なり、
タイの人々はその特徴によって使い分けているのだそう。
長細いナスは水分が多くアクが弱いのが特徴で、焼いてサラダにしたり、
挽き肉・スイートバジルと炒めてタオチオ(=タイの豆味噌)で味付けし、
麻婆茄子のようにしたりします。
一方、楕円のナスは水分が少なくアクが強いのですが、
こちらは主に生食されます。
タイの食文化ではアクなどの“えぐみ”も美味しさの要素とされているため、
そんな風に楽しむのです。
おしり側に少し切り込みを入れ、そこから手で割りながら
ディップソースをつけて食べたりします。
丸いナスは、サラダとして生のまま食べることもありますが、
焼く・茹でるなどしてすり潰し、
調味料と混ぜてディップ用のソースにしたりもします。
おなじみのグリーンカレーに欠かせないのもこの丸いナス。
スープの味や色に影響しないよう、水分が少なく緑色をした大小2種類のナス、
マクワ・プロ(=タイナス)、マクワ・ポワン(=スズメナス)を
使うのが一般的です。
タイではこのナスの仕上がりの色がとても重要視されていて、
「グリーンカレーのナスを見れば料理の腕が分かる」と言われるほど。
美しく仕上げるためにはまず、
ナスを塩水に漬けてしっかりとアク抜きした後、
沸騰しているスープに一気に加えてしずめ、
フタをしてさっと加熱するのがポイントです。
様々なタイのナス。日本ではこんなにもの種類はなかなか手に入らないので、
日本のナスでグリーンカレーを作るときは、
まずスープに色が移らないよう紫の皮を全部剥いてしまい、
先ほどのポイントを押さえて作ってみると、
本場のような美しいグリーンカレーに仕上がりますよ。
タイの自社工場ですり潰したフレッシュハーブをそのまま閉じ込めペーストにしました。爽やかに香るハーブの香りを、グリーンカレーはもちろん、いろいろなお料理で楽しんで。