タイの結婚式・披露宴のお話
これから結婚する二人。
当人だけでなく周りの人達も幸せな気持ちになるのは万国共通。
ただ、結婚式・披露宴のスタイル、お料理は国によって様々です。
伝統的なタイの結婚式に欠かせないのが僧侶の読経。
タイの民族衣装に身を包んだ新郎新婦を前に、
9人もの僧侶が並び、順にお経を唱えていくところから始まります。
次いで、身を洗い清めるために「聖水かけ」「白粉づけ」の儀式があります。
このようにタイの結婚式は、厳かに執り行われます。
ところが一変、披露宴は夕方から始まり夜遅くまで繰り広げられ、
総勢500人が集まることも珍しくありません。
開始時間が過ぎても一向に始まる様子はなく、
1時間も経った頃から、人々がぞくぞくと集まり、
友人を介して知らない人達まで集まってくるのです。
いつからともなく始まった披露宴には、次々とお料理が運ばれ、
カラオケやダンスをしたり、新郎新婦がご祝儀をテーブルで受け取ったり、
おしゃべりを楽しんだりします。
この自由きままに延々と続く宴会に、
途中退席してしまう出席者も珍しくないとか。
披露宴には、前菜・蒸し物・炒め物・スープ・麺料理・デザートなど、
食べきれないほどのお料理が出されます。
代表的なメニューの1つが「プーパッポンカリー(蟹と卵のカレー)」。
蟹と香味野菜を強火で炒め、カレー粉とチリインオイルで味付けし、
ふわふわの卵でとじたタイの海鮮系レストランでおなじみのメニューです。
日本の観光客の中でも人気メニューの1つですが、
タイ人にとっても支持率の高いメニューで、
ぎっしりと身の詰まったマッドクラブが殻ごと載せられ、
披露宴に華を添えます。
お祝いの席の食材には縁起を担いだものが使われる事が多く、
豚肉→豊かさ、魚・バナナ→子孫繁栄、麺類→長生き
などの意味を持つ食材を使ったお料理が
ハレの日を祝います。
「コーハイ・ミー・クワーム・スック(お幸せに!)」
これからの門出を祝う二人に手向けられる言葉。
タイならではのマイペースな披露宴も、やっとこの言葉で締めくくられます。
卵のとろとろ・ふわふわを再現し、やさしくまろやかなカレー味でまとめました。ごはんはもちろん麺にかけたり、パンにはさんでも◎。