タイのお米のお話(2)
タイ語で“米”を表す「カオ」は、
日本でいうところの“ごはん”はもちろん、
“食事そのもの”という意味にまで幅広く使われます。
さらに“おかず”は「ガップ・カオ」、
“ごはんと一緒に”とか“ごはんのお供”と
表現されるほど、お米との密接度はさすが世界有数の米生産国。
日本米(ジャポニカ種)が
粘りが強くてつやがあることを良しとするのに対し、
タイ米(インディカ種)では粘り気がなくパラパラしていることに価値がある
とされることから、
その究極のパラパラ感を求めて、ごはんの炊き方にもこだわります。
お米が長いため、割れないように“研ぐ”というより
“洗う”ようにやさしく扱います。
蒸す、もしくは茹でこぼす(湯取り法 = たっぷりの湯で茹でて湯を捨てる)
といった炊き方が伝統的ですが、今ではタイでも炊飯器が大活躍。
日本の家庭でタイ米をおいしく炊くには、お米と水の割合を1:1にし、
急速モードにすると粘りが出ずに上手に炊けると聞くと、
少し身近な感じがしませんか?
パラパラ感にこだわったタイ米には、
炒飯やタイカレーが似合う印象が強いですが
、
実はタイではお粥にもインディカ種が使われるのです。
お粥には大きく2種類、米粒を残した日本の雑炊に近い状態の「カオトム」と、
スープで米粒がなくなるまでトロトロに煮込んだ「ジョーク」があります。
タイの朝食ではこの「ジョーク」が人気。
豚肉のミンチが入っていたり、
生姜やパクチー、ネギ、卵などがトッピングされ、
胡椒が効いた日本人にもぴったりの味付けです。
たとえお米の品種や食感が違っても、共通して“おいしい”と思える
ごはん料理があることは、
日本人をタイに惹きつける魅力の一つに違いありません。
炊き立てのジャスミンライスの香ばしさを閉じ込めました。タイカレーやガパオを合わせて食べれば、お家にいながらにして本格的なタイを味わえること間違いなしです。