手長海老のお話
タイ料理の中で、日本人にとっては最もポピュラーなトムヤムクン。
世界3大スープの1つとも言われ、辛さと酸味のバランスが魅力的です。
トムヤム=スパイシーなスープ、クン=海老という意味があり、
タイでは海老以外にも魚や鶏肉などの具を変えて楽しみます。
トムヤムそのものは日常的なメニューですが、
大きな海老を使ったトムヤムクンは、
高級なお料理としてハレの日に食べられています。
タイの中央部にあり3つの大きな河に囲まれているアユタヤは、
恵まれた水運を利用したヨーロッパや東アジアとの貿易によって、
かつて王朝として栄えました。
食文化においてもその地形から、
川魚・川海老を使うお料理がたくさん見られます。
アユタヤに起源を持つトムヤムクンはまさにその代表と言えるでしょう。
トムヤムクンにはもともと、アユタヤの河で獲れる
大きな手長海老(クンメナームと呼ばれる)が使われていましたが、
今ではいろいろな海老で作られています。
ミソのつまった海老の頭と殻、鶏がらでとった旨みのあるスープに、
タイ料理には欠かせないハーブであるレモングラス(タクライ)、
こぶみかんの葉(バイマックルー)などが
ふんだんにブレンドされています。
さらに 唐辛子(プリック)の"辛さ"、タイライム(マナオ)の"酸味"の
バランスと魚醤(ナンプラー)の"塩味"で味が決まるトムヤムクンは、
その美味が世界中で認められた逸品なのです 。
本場のタイの食材と香辛料をふんだんに使用して辛味、酸味、旨みをひとつのスープにぎゅっと凝縮。タイ独特の味と風味が楽しめます。