カオマンガイのお話
店の軒先につるされた丸々太った茹で鶏、
それを大きな包丁でさばく料理人…。
テレビでそんな光景を見たことはありませんか?
タイのカオマンガイ専門店が日本にやってきた!
というニュースが大きく取り上げられてから、
カオマンガイは日本でよく知られるタイ料理の一つになりました。
中国の海南島から伝わり、
東南アジア各国で独自の発展を遂げた「鶏肉のせ炊き込みご飯」。
タイではカオ(米)マン(油)ガイ(鶏)と呼ばれ、
ナムチム(つけダレ)に
タオチオ(豆味噌のような調味料)と生姜を入れるのが特徴です。
お米は鶏の油で炒めてから、丸鶏を茹でた旨みの濃いスープで炊き上げ、
最後に鶏肉を切り分けてごはんの上に盛り付けます。
このスープは、
カオマンガイの付け合わせとして出される汁物にも使われます。
添え物として、鶏の血を塩で固めたものや
レバー、砂肝が盛られることもあり、
カオマンガイは鶏を丸ごと味わい尽くすお料理と言えるでしょう。
そのため、タイでは丸々と太り、肉質が柔らかくなるよう特別に育てた
鶏「ガイトーン」をこだわって使うお店も多いんだとか。
カオマンガイは手間暇をかけて丁寧に作るお料理であることから、
専門店やそれしか出さない屋台もたくさんあって、
こだわりを語る評論家までいるほどです。
評論家はまず、付け合わせに出された汁物を見て
カオマンガイのおいしさを見極めます。
鶏のだしがしっかり効いていながらクリアで濁りのないものは、
丸鶏を茹でるときに火加減やアク取りに気を使って丁寧に仕上げた証拠。
鶏肉はしっとり、ジューシーで皮がめくれたりしていません。
ごはんはどうでしょう。鶏の油をまとってツヤツヤ、
お米がひと粒ずつ立っていればパーフェクト!
それがおいしいカオマンガイです。
タイでは茹で鶏の他に、
タイ式から揚げ(ガイトード)を選べるお店も多くあります。
ぜひ、「茹で」と「揚げ」のW盛りを頼んでみてください。
ガイトードには「ナムチム」ではなく
「スイートチリソース」がついてくるので、
2種の鶏肉と2種のタレでちょっと贅沢なカオマンガイを味わえます。
鶏のだしがしっかり効いた炊き込みスープと特製つけダレのセット。炊飯器で手軽に作れます。お子様はつけダレ無しでも◎