ココナッツミルクのお話(2)
ココナッツオイルが健康や美容にいいと言われるようになり、
スーパーの売場でも見かけるようになりました。
ココナッツオイルとは
ココナッツの果肉に圧力をかけてギュッと搾ったり、
ココナッツミルクを加熱するなどして
そのオイル部分だけを抽出したものです。
その使い方は、肌や髪に塗ったり
コーヒーや紅茶に入れたりと様々ですが、
タイ料理にはそんなココナッツのオイル部分がしっかり摂れてしまう
メニューが豊富であることは言うまでもないでしょう。
ココナッツミルクをふんだんに使うタイ料理といえば
カレー・スープ・デザート。
ココナッツミルクには1番搾りから3番搾りまであり、
それぞれお料理によって使い分けられます。
カレーの場合は1番搾りを加熱して分離させたオイルで
カレーペーストを炒めてハーブの香りを充分に引き出した後、
2番搾りのココナッツミルク・具・鶏がらスープを加えて煮込みます。
つまり、ココナッツオイルが分離することを良しとするお料理です。
一方、スープやデザートでは、分離はゼッタイNG!
特に、火にかけて調理するスープでは“グラグラ沸騰”はご法度です。
スープの中でも特にココナッツミルクをたくさん使って仕上げる
「トムカーガイ」。
1番搾りのココナッツミルクの甘さとまろやかさ、
カー(タイ生姜)の爽やかさがおいしさの条件です。
ガラスープで鶏肉やきのこなどの具を煮込み、
アクをとってなるべく透明に仕上げた後、薄くスライスしたカー、
レモングラスやバイマックルー(こぶみかんの葉)を
はじめとする数種類のハーブを加えて香りを出します。
最後の最後でココナッツミルクを投入したらさっと火を通すだけ、
なるべく白く仕上げるのがコツ。
白いスープにトッピングした、揚げ赤唐辛子とパクチーの
緑のコントラストがとてもキレイなお料理です。
「タイ料理でスープと言えば“トムヤムクン”に決まってる!」
なんて言わずに、色白美人のスープ“トムカーガイ”を
ぜひ一度お試しあれ。
ココナッツミルクのこってりとした甘味、マナオ果汁の酸味が心地よいスープ、トムカーガイ。タイならではのハーブ&スパイスがしっかり感じられるのも魅力の1つです。