
タイ料理のお話
東西に広く南に長い形から“ゾウの頭”とも呼ばれるタイの国土は、
気候や風土、文化の違う南部・北部・東北部・中央部の4つに分かれます。
マレーシアに近い南部は香ばしいドライスパイスと生唐辛子、
胡椒を大量に使い4つの地域で最も辛い味付けで知られ、
冷涼な北部ではミャンマーの影響が色濃く、
豚肉を使った脂っぽい料理が多いのが特徴です。
また、ラオスを川向こうにのぞむ東北部(イサーン)では、
川魚や肉類を保存食として加工した料理が多く見られます。
そして中央部のルーツは宮廷料理、
フルーツや野菜を美しく彫り上げたカービングが彩りを添えます。
地形と食、人が深いところで結びついているのです。
隣り合った、海を越えた国々との交流は
タイ料理に大きな影響を与え続けています。
例えば、ゲーン・カリー(イエローカレー)は、
インド人によって持ち込まれたターメリックやクミンといったスパイスに、
タイのレモングラス、タイしょうがなどのフレッシュハーブと
ココナッツミルクが加わった[タイ+インド]の香りの相乗効果、
今日ではタイ全土で食べられる人気メニュー。
他の国々のよいところをしなやかに受け入れ、吸収し、
オリジナリティを加えて自分達のものにする。
この繰り返しでタイ料理は今なお進化を続けているのです。
ターメリックやクミンといった馴染みのあるドライスパイスの香りに、ココナッツミルク、ナンプラー、フレッシュ-ハーブのタイテイストが融合した、親しみやすいタイカレーです。